0〜30日 — 2部署だけで、小さく始めた
同社は最初から全社に広げる計画を立てなかった。まず営業部と管理部の2部署、合わせて60名で試したという。
— 2部署を選んだ基準は何でしたか。
困りごとが一番はっきりしている部署と、逆に慎重な部署の両方を入れました。前向きな部署だけで試すと「あそこだからできた」で終わってしまうので。
— この30日で決めたことは。
続ける条件を先に決めました。60名のうち何割が週1回以上使ったら次に進む、というラインです。数字を先に置いておくと、感想ではなく事実で判断できます。
「数字を先に置いておくと、感想ではなく事実で判断できます。」
30〜60日 — つまずいたのは、機能ではなく運用ルール
PoCの期間中、想定していなかった混乱が起きた。同じ情報を入れる場所が2つできてしまったのだ。
— どのように解決したのですか。
使い方の説明会をもう一度開くのではなく、そもそも入力する場所を1つに減らしました。ツールの設定を変えて、選択肢自体をなくしたんです。ルールを増やすより、迷う余地をなくすほうが早いと学びました。
— 現場からの反発はありましたか。
ありました。特に、これまでのやり方で問題なく回っていた人からは。その方々には個別に時間をもらって、何が不便になるのかを具体的に聞きました。挙がった5点のうち3点は設定変更で解消できたので、対応してから展開しています。
60〜90日 — 展開は、部署ごとに時間差で
全社展開にあたり、同社は一斉展開ではなく部署ごとの時間差展開を選んだ。先行した2部署のメンバーが、次の部署の相談役に回る形を取った。
— 相談役を置いた効果はいかがでしたか。
問い合わせの多くが、私たちを経由せずに現場で解決するようになりました。同じ業務をしている人からの説明のほうが、伝わるのも早い。情シスへの問い合わせは想定の3割程度で済みました。
3ヶ月後 — 利用率82%、残る18%をどう見るか
— 現在の利用率をどう評価していますか。
82%です。100%を目指すべきかは、正直まだ議論しています。業務内容によっては、使わないほうが早いケースもあるので。無理に数字を追うより、使っていない部署の業務を見に行くほうが先だと考えています。
「無理に数字を追うより、使っていない部署の業務を見に行くほうが先だと考えています。」