内定者・新入社員の声をChatGPTで採用記事にする手順

内定承諾直後や入社1ヶ月後の声は、候補者にとって最も身近な判断材料です。しかし「まだ語ることが無い」と思って記事にしていない企業がほとんどです。むしろこの時期だからこそ書ける内容があります。15分の対話を採用記事に仕上げる6ステップと、プロンプト全文を公開します。

内定者や新入社員の声は、採用サイトで最も読まれる記事になる可能性を持っています。候補者にとって、数年先の先輩より、数ヶ月先の先輩の方が「自分ごと」として読めるからです。しかし多くの企業は「まだ語れることが無い」と考えて、この時期の声を記事にしていません。実際には、この時期だからこそ書ける内容があります。この記事では、内定承諾直後から入社3ヶ月までの声を採用記事に仕上げる手順を、プロンプト全文つきで出します。

関連記事: 採用サイトの社員インタビュー制作5選|費用相場も解説 では、外注する場合の選択肢と費用相場を解説しています。この記事では、社内で自分で作る手順を出します。

1. 内定者・新入社員の声が記事にならない

内定者や新入社員に話を聞く機会はあります。内定者フォロー面談、入社後の1on1、オンボーディング面談。対話は成立しています。

ところが、それを採用サイトの記事にしようとすると止まります。

  • 「まだ実績が無いから書くことが無い」と判断して、記事化の候補から外される
  • 聞いた内容をメモとして残すが、採用サイトには載らない
  • 載せる場合も「入社の決め手」だけを1〜2行の引用で切り出し、他の部分は捨てる
  • 既存社員のインタビュー記事と同じ構成で書こうとして、薄い記事になる

結果として、採用サイトに並ぶのは入社3年目以降の社員の記事ばかりになります。候補者が「自分が入ったらどうなるか」を知るには、時間が離れすぎています。

原因は、「語れることが無い」という前提が間違っていることです。

2. なぜ「語ることが無い」と思ってしまうのか

原因1:実績を語る記事だと思っている

既存社員のインタビュー記事は、入社後の実績や成長を語る構成になっています。「現在の仕事」「これまでの成果」「今後の目標」という見出しで組まれています。

内定者や新入社員に同じ構成を当てはめると、「現在の仕事」は研修中、「成果」はまだ無い、「目標」も抽象的になります。当然、記事として成立しません。

しかし候補者が知りたいのは、実績ではなく判断のプロセスです。「なぜこの会社を選んだのか」「何を不安に思ったか」「入ってみて想定とどう違ったか」。これは入社3年目の社員には語れません。記憶が薄れているからです。内定承諾から3ヶ月以内の人だけが語れる内容です。

原因2:ポジティブな感想しか出てこないと思っている

内定者フォロー面談や入社後面談で聞くのは「困っていることはないか」です。多くの場合「特にありません。楽しくやっています」という返答になります。

これを記事にしようとすると「楽しい」「勉強になる」だけが並び、記事として薄くなります。

実際には、困っていることを直接聞いても出てきません。聞き方を変える必要があります。「入社前に想像していた1日と、実際の1日は何が違いましたか」と聞くと、具体的な違いが出てきます。違いの中に、候補者が知りたい情報が入っています。

原因3:採用広報の文脈で語ってもらおうとしている

内定者や新入社員に「採用サイトに載せる記事を書くので、志望動機を教えてください」と聞くと、優等生の回答になります。「御社の理念に共感して」「成長できる環境だと思って」。

これは採用広報の文脈で聞いているからです。聞き方を「選考中、どの時点で志望順位が変わりましたか」に変えると、判断の転換点が出てきます。転換点には具体的なエピソードが紐づいています。これが記事になります。

原因4:全体を網羅しようとしている

15分の対話から、入社の決め手、研修の感想、今後の希望を全部拾おうとすると、どれも薄い記事になります。

候補者向けの記事は、1つのテーマを深く掘る方が読まれます。「入社の決め手」だけを15分聞いた記事の方が、3つのテーマを5分ずつ聞いた記事より価値があります。

3. ChatGPTで組む、内定者・新入社員インタビュー記事の型

内定者や新入社員の声を採用記事にするには、既存社員インタビューとは別の型を使います。時系列ではなく、判断のプロセスを軸に構成します。

ステップ1:対話の目的を決める(記事にする前提で聞く)

採用サイトの記事にすることを前提に、対話のテーマを1つに絞ります。

テーマの選び方(1つだけ選ぶ):

  • 入社の決め手:選考中のどの時点で志望順位が変わったか、何が決定打だったか
  • 想定と現実の違い:入社前に想像していたことと、実際に入ってみて違ったこと
  • 不安の解消:選考中に不安だったことが、入社後どう解消されたか(または解消されていないか)
  • 同期との違い:他の内定者・新入社員と自分の選択基準や感じ方がどう違うか

どれも、入社3ヶ月以内の人にしか語れない内容です。3年後には記憶が曖昧になります。

ステップ2:対話を文字起こしする

録音した対話を文字起こしします。ChatGPT、Whisper、Googleドキュメントの音声入力、どれでも構いません。

文字起こしの精度は完璧でなくても進められます。後のステップで整えます。

ステップ3:発言を時系列で整理する

文字起こしをそのまま記事にはできません。話は前後し、同じ話題が複数回出てきます。まず時系列で整理します。

プロンプト:

以下は内定者Aさんとの対話の文字起こしです。

【文字起こし全文をここに貼る】

この対話から、Aさんの判断のプロセスを時系列で整理してください。

# 出力形式

## 選考開始時点(応募前〜選考初期)
- Aさんが持っていた前提や期待
- 他社との比較軸

## 転換点(志望順位が変わった瞬間)
- 何がきっかけで変わったか
- そのとき何を考えたか

## 内定承諾の判断
- 最終的に何が決め手になったか
- 迷った点とその解消

## 入社後の実感(該当する場合)
- 想定と違ったこと
- 想定通りだったこと

各項目は、Aさんの発言をそのまま引用してください。要約や言い換えはしないでください。

このステップで、話が前後している部分が整理されます。

ステップ4:記事の構成を決める

時系列に並べた発言から、記事の構成を組みます。

プロンプト:

以下は、ステップ3で整理したAさんの判断のプロセスです。

【ステップ3の出力をここに貼る】

これを採用サイトの記事にします。読者は、現在選考中の候補者です。候補者が知りたいのは「この会社に入るとどうなるか」です。

記事の構成案を3つ出してください。それぞれ、見出し(h2レベル)を3〜4つ作ってください。見出しは、内容が想像できる文にしてください。「入社の決め手」ではなく「最終面接で聞いた『失敗の共有文化』が、入社後に本当だと分かった」のように。

# 制約
- 時系列順に並べないでください。候補者の関心の順に並べてください。
- 見出しだけ読んで、記事の主張が分かるようにしてください。

3つの構成案から、最も候補者の関心に沿ったものを1つ選びます。

ステップ5:本文を書く

構成が決まったら、本文を書きます。

プロンプト:

以下の構成案で、内定者Aさんのインタビュー記事を書いてください。

【選んだ構成案をここに貼る】

# 元の発言(ステップ3の出力)
【ステップ3の出力をここに貼る】

# 執筆の指示
- 各見出しの下に、Aさんの発言を引用してください。
- 引用は「」で囲み、地の文と区別してください。
- 発言を整える際の線引き:
  - ✅ フィラー(「えーと」「あのー」)は削除
  - ✅ 言い直しは統合
  - ✅ 主語・目的語の補完(文脈から明らかなものだけ)
  - ❌ 語順の大幅な変更はしない
  - ❌ 話し方の癖(「なんか」「みたいな」)は残す
  - ❌ 複数の発言を1つにまとめない
- 記事の長さ:2,500〜3,500字
- 読者は選考中の候補者です。Aさんの判断のプロセスを追体験できるように書いてください。

このステップで、記事の初稿ができます。

ステップ6:リード文を書く

本文ができてから、リード文(記事の冒頭の要約)を書きます。先に書くと、本文との乖離が起きます。

プロンプト:

以下の記事に、リード文(冒頭の要約)を書いてください。

【ステップ5で書いた本文をここに貼る】

# リード文の要件
- 100〜120字
- 記事の主張を1文で要約
- 候補者がこの記事を読むべき理由を示す
- Aさんの発言の中で最も印象的な部分を1つ引用する

リード文を本文の冒頭に置きます。

ステップ7:本人確認と公開判断

完成した記事をAさんに確認してもらいます。

確認時の依頼文に、修正の範囲を明記します:

Aさん

先日のお話をもとに、採用サイトの記事を作成しました。
内容をご確認いただき、修正があればお知らせください。

【確認のポイント】
- 事実と異なる記述はないか
- 公開されたくない内容が含まれていないか
- 引用された発言は、ご自身の意図と合っているか

なお、話し方の自然さを残すため、「なんか」「みたいな」といった口語表現を
あえて残している箇所があります。不自然でなければそのままとさせてください。

記事案:【記事を貼る】

ご確認期限:〇月〇日

本人確認で大幅に修正が入る場合、ステップ3の整理が甘かったか、ステップ5の線引きが守られていないかのどちらかです。

4. それでも残る限界

ChatGPTでここまでできますが、それでも残る限界があります。

限界1:複数人の声を束ねた記事は作れない

内定者3人の声を1つの記事にまとめたい場合、ChatGPTでは判断が難しくなります。どの発言を拾い、どの発言を捨てるかの基準を、人間が先に決める必要があります。

限界2:写真の選定と配置

記事に入れる写真は、ChatGPTでは選べません。内定者の顔写真、研修風景、オフィスの様子。どの写真をどこに入れるかは、採用広報の文脈を理解した人間が決める必要があります。

限界3:既存の採用記事との整合性

採用サイトに既に20本の社員インタビュー記事がある場合、新しい内定者の記事がそれらと重複しないか、文体が揃っているかは、ChatGPTでは判断できません。サイト全体を見て調整する必要があります。

限界4:継続的な更新

内定者の記事は鮮度が命です。3ヶ月前の内定者の声より、先週内定承諾した人の声の方が候補者には響きます。しかし、毎月記事を更新し続ける運用は、ChatGPTだけでは組めません。

5. 内定者の声を、採用サイトの資産にする

内定者や新入社員の声を継続的に採用記事にするには、対話の設計から公開までを一気通貫で回す必要があります。

sonata は、音声ファイルをアップするだけで、文字起こし・構成案の生成・記事の執筆を自動化します。上のステップ2〜6を1つの画面で完結させ、内定者フォロー面談の録音を、そのまま採用記事にする運用を作れます。

  • 対話の設計テンプレート:内定者向け・新入社員向けの質問セットを用意し、テーマを選ぶだけで対話を始められます
  • 話者の分離:複数人の対話を自動で話者ごとに分離し、引用の帰属を明確にします
  • 既存記事との重複検出:過去の採用記事と照合し、同じエピソードが既に使われていないかを確認します
  • 公開判断の自動化:本人確認のワークフローを組み込み、確認待ち・修正待ち・公開済みの状態を管理します

内定者の声は、候補者にとって最も身近な判断材料です。その声を、毎月の資産として積み上げる運用を作ります。


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